医療法人には「医療法人社団」と「医療法人財団」の2種類がありますが、このページでは医療法人社団について、ご紹介します。
医療法人とは
医療法人と聞いてもピンとこないでしょうが病院や診療所、歯科医院、介護医療院を開設しようとする際に都道府県の認可を受けて法人として運営することを指します。
医療法人社団設立の際の要件
医療法人社団の設立にはいくつかの要件があります。
- 社員(3名以上)
- 理事(3名以上)
- 監事(1名以上)
- 医師または歯科医師
- 医療施設、設備、資金
5つの要件がありますが、すべての要件を満たさなければ医療法人社団の設立はできません。
1.社員ですが、これは会社で働く従業員ということではなく、医療法人社団を運営していく中で、事業の決定権を持つ立ち位置という存在になります。株式会社で言う、株主という立ち位置と同一です。違う部分で言えば出資者でなくても定款の定めにより社員になることが可能です。(出資持分の定めのある医療法人の場合)今まで手続きさせていただいた医療法人社団のほとんどが社員は理事と同一でした。
2.理事ですが、株式会社でいう取締役と同じ立ち位置の役職となります。事業の運営を担うのが理事となります。理事は社員との兼務が可能で理事=社員という医療法人様は多いです。また、医療法人は理事の中から「理事長」を選任するのですが、理事長に就任できるのは医師又は歯科医師に限定されています。
3.監事は医療法人の業務・財産状況を監査する立場の役職です。監事には細かく就任できない人が規定されています。以下の人は監事に就任できません。法人、医療法人の理事または従業員、理事長の親族、医療法人に拠出している個人・取引顧問関係にある人
4.医師または歯科医師ですが、医療法人設立には必ず医師または歯科医師の免許を持った人が理事長になることが求められるので、理事の中に医師または歯科医師がいなければ医療法人は設立できません。
5.医療施設、設備、資金ですが、医療行為を行うには場所と設備と資金が必要になります。不動産は医療法人の所有でなくても問題ないのですが、長期契約が必要です。また、設備機器についても所有出なくても問題ないのですが、必ずリース契約等で契約期間の確認等が必要になります。
資金については、事業開始から保険診療収入が2カ月後ということから2ヵ月分の運転資金が必要になります。申請の際には、事業計画書や予算明細書の提出で資金が確保されているのか確認します。
医療法人社団認可のスケジュール
医療法人の設立(北海道)は年に2回 5月、10月の2回のスケジュールで受付を行っています。
5月の申請に間に合わせるのであれば、事前審査に必要な書類を提出して9月に認可が下り、診療所オープンが同年10月という流れです。
事前審査の書類の作成には2ヵ月以上の日数が必要になるので、5月の事前審査に間に合わせるためには、2月から書類の準備等が必要になります。
医療法人社団認可のまとめ
医療法人社団を設立させるには、いくつもの要件をクリアする必要があり、不動産、設備機械、運転資金などの医療行為を滞りなく行えることを書類で証明する必要もあります。
また、ここでは記載していませんが医療法人を運営して行くにあたって、定款などの書類の作成も求められます。
設立については年に2回のスケジュールなので、しっかりと事前に準備をする事が求められます。