
個人で建設業許可を取得していて、売上が上がってきたから「法人へ移行」このような場合、個人で取得している「建設業許可」を移行することはできるのか?
「結論は移行できない!」です。
え、移行できないの?と驚かれるかもしれませんが新たに設立した会社で新規に許可申請をしなければなりません。
新たに設立した会社で許可申請をする際の注意点
- 許可の空白期間が発生する
- 資本金の額
- 事業目的
許可の空白期間
法人成りして新たに設立した会社で許可を受ける場合には、個人で取得した建設業許可の「廃業届」を振興局へ提出した後、新たに設立した会社で新規申請をすることになります。
「廃業届」を出すことによって、許可がなくなります。
新規申請をしてから、許可通知書が届くまでの期間「約30日前後」は許可を持っていない期間になります。
許可を持っていなければ500万円以上の工事を請け負うことができないので事前に工事の調整などを行う必要が出てきます。
「廃業届」を提出する前に契約した工事であれば許可がなくなった後でもその工事を行うことについては問題ありません。
資本金の額
現在、会社を設立するにあたって資本金は「1円」からでも設立可能です。
ただし、設立後すぐに建設業許可の申請をする場合には「資本金は500万円」にしておけば、許可要件の1つ「財産的要件」を満たすことができます。
資本金が500万円未満でも、会社の銀行通帳に500万円以上あることが確認できれば問題ありません。
事業目的
会社を設立する際には会社が行う事業を定める必要があります。
会社の「事業目的」といって、会社は「事業目的に記載されている事業をしますよ!」と外部に示すことになります。
この事業目的の中に、取得したい許可の種類が記載されていないと、事業目的の追加が必要となり費用もかかってしまいます。
なので予め、今後会社が行う工事の種類が増えそうであれば、会社設立時に事業目的に記載しておくことをおすすめします。
例えば、個人事業の時に「大工工事」で許可を取得していたとします。
会社を設立後は「大工工事」と「解体工事」で許可を考えているのであれば、事業目的には
- 大工工事の設計、請負、監理
- 建物及び建物に係る解体工事の請負
- 前各号に附帯する一切の業務
建設業許可の取得を考えている場合、必須ではないのですが許可を取得したい業種に対応する事業目的の記載をしておくと良いでしょう。